【188】 紅葉の伊勢道路  安乗灯台               2009.12.03


 伊勢道路を走って、志摩へ行ってきました。安乗に所用があったからです。


 志摩へは、近年も何度か出かけていますが、鳥羽からパールロードを走ったり、南伊勢町経由でサニーロードを走って行ったりしていて、伊勢道路を走っていくのは5・6年ぶりです。

 


← 朝熊山の下をくぐる
 五十鈴トンネルの入り
 口です。


  出口の向こうには、
 色づいた木々が… →




 「伊勢道路って、紅葉がこんなにきれいだったんだ…」と
驚くぐらい、道端の木々が色づいていました。↓


 安乗で一件、打ち合わせを済ませたのち、安乗灯台を見に行きました。


 午後4時を過ぎていて、普通ならば上まで登ることができる灯台は、「入場は4時までです」と書かれた看板が掲げられ、外柵の扉に鍵がかけられていました。
 夕闇が迫るあたりには、打ち寄せる波の音が響くばかりで、人影はありません。


 安乗岬は、的矢湾の入り口に突き出た岬で、波の下には多くの岩礁が隠れている、海の難所です。江戸時代から、岬の突端には灯台が設置されていました。それでも、明治44年には日本帝国海軍駆逐艦「春雨」が熊野灘で暴風雨に遭遇、避難のため的矢湾に向かったところ、湾口の暗礁に乗り上げて座礁、全乗組員64名中44名が命を落とすという大惨事を起こすなど、ここでの海難事故は多数に上っています。
 安乗灯台の説明は、2004年に訪れたときのページ【参照】にありますので、ご覧ください。




← 灯台前の広場から見た安乗灯台
 
垣根の向こうに的矢湾が広がり、
海中に立つ灯台が見えます。 ↑
















 

 













← 垣根の中に、トンネルがありました。



 こういう怪しいところは、行ってみなくては済まない章くん、木をかいくぐっていってみました。


← 抜けていくと、灯台の裏手の崖っぷちの道へ出ました。


 ほぼ垂直のがけに1mほどの幅の道がついていて、下っていくと海面へと至ることが出来るようです。


 でも、ただでさえ海へと傾斜している道には落ち葉が積もっていて、滑りそうです。足を踏み外せば、岩礁に打ちつける波間に真っ逆さま…。あたりに人影はありませんから、助けを呼ぶことも出来ません。
 がけから生え出ている草を掴んだりしながら、慎重に下りていったのですが、、革靴ですから足が滑ります。
 「こりゃあ、命が危ないな」と思い直して、引き返すことにしました。


← 崖下の道の途中から見上げた灯台です。


 ところが、崖っぷちの細い道ですから、体の向きを変えるのが難しい。掴んでいる草の茎を離して、向きを変えなくてはならないのですが、手を離すと落ちてしまいそう…。
 強く引っ張ると、草の茎ですから千切れてしまったり、ときどき根っこから抜けくるのもあったりで、不安定なことこの上ない状態です。
 来るんじゃなかったと後悔しつつ、スローモーションのようにゆっくりゆっくりと体を入れ替えました。


← 崖の途中から、海中灯台を撮ってきました。


 降りていくときはまだ好奇心が先行していましたが、帰りはただ落ちないように…とばかり考えて、むしろ恐怖心がつのってきました。章くん、高所恐怖症だったことも思い出してしまいました。
 トンネルの入り口まで来て、気が緩んだのか、足をズルッと滑らせたときには、ホント、青ざめましたね。


← 広場の南端の展望台から灯台をパチリ


 灯台近辺の断崖は高さ20mに及ぶと書かれていました。波の浸食作用によって出来た断崖だそうです。
 それほど、波は荒く、吹き付ける風雨は激しいということなのでしょう。
 周辺は岩礁地帯ですが、たくさんの海草が繁茂していて、魚介類の宝庫であり、海女さんの活躍の舞台でもあります。


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